第974話考察
本当にカン十郎は「光月」への未練は何もないのか?
スパイの正体は…カン十郎で決まりか!?など何度か過去の考察で睨んでいた通りスパイの正体はやはりカン十郎であった。
「黒炭」姓、実は絵が上手いのをずっと隠していたなど本当に当たっていたわけであるが一つ疑問が残っていた。
おでんのお陰で処刑を免れ逃げている時に皆と同様おでんとの初めて出会いを思い出し泣いていた。
そこまで徹底して役になりきっていたのかもしくは紙で作った分身だから状況に合わせて泣いただけ、などという事じゃないのであれば実は少しは赤鞘の一員であることを気に入っていた、かもしれないと思い以前の考察でその可能性について後日詳しく取り上げると言った。
そしてその事をすっかり忘れていて取り上げる前に犯人はカン十郎だと明らかになったわけであるが今回明らかになったのは単に正体だけじゃなくその可能性を完全否定するほどのカン十郎の意気込みも含まれていた。
まず本当は絵が上手かったのは当たっていたものの釜茹での時に本人は分身に頼らず死ぬ気満々だった。
つまり本当に心中覚悟でやってた大した奴だったのでその涙は役作りですらなく死に場所を奪われた事による涙とすら考えられるわけである。(過去を振り返っていた理由はおそらく単にさっき死んだおでんとの最初の出会いが頭をよぎっただけ)
ちなみにスパイの正体が優秀なお庭番衆説を大穴ながら常に考慮したりカン十郎の心変わりの可能性を僅かながら考慮しようとした理由はもしも身近にスパイがいるのなら錦えもん達が今まで無事だったことが少し不思議だったことにある。
しかし近い位置にいたからこそオロチへの連絡を取るのが逆に難しく知らせるタイミングが遅れ錦えもん達は捕まらず出国する事が出来たと今になっては解釈できるし、それにカイドウの希望によって生け捕りにする必要があったのも今まで無事だった重要な理由としてあるのでカン十郎の意向はそこに一切何も挟まる余地は無さそうである。
それにこの顔。
個人的にはもしもこの先最終的にカン十郎はオロチを裏切るというような展開になれば逆にガッカリするかもしれない。ここまで来たら黒炭として徹底的に突き抜けてもらいたい。
ただ本人が言っていたように本来の予定では誰も傷つけることなく死ぬつもりだったわけなのでそれがカン十郎の錦えもん達へのせめてもの慈悲だったとも言える。
……もくしは本当に「光月として死ね」というオロチの命令を忠実に守ろうとしただけか。
どちらであろうとワノ国への復讐心はおそらくオロチより強いのでいざ正体を明らかにする時が来たら一切の容赦をしない姿をあえて見せたのだろう。
復讐心というかカン十郎の場合オロチへの心酔度が途轍もなく高いと言った方が正しいかもしれない。
というわけで敵としてはオロチ以上にヤバい気配すら漂わせている黒炭カン十郎。光月への未練は一切ないと見て間違いないだろう。
そしてオロチ達はマネマネの実の能力の役割をこれから絵で代用してくる可能性すら出てきたのでカン十郎がこの先どれだけ厄介な敵になるのかは完全に未知数である……