第974話
カン十郎が内通者(スパイ)である事を示すこれまでの複線まとめ


ゾウに登る為にを具現化させたカン十郎。

カン十郎が信頼できる身内だとずっと信じて疑わなかった錦えもんは軽く呆れただけであった。

ただ回想で詳細が明らかになったカイドウとの因縁を考えると結構とんでもない事をやっている。今にしてみれば大きなヒント。

そしてログポースではたどり着けないはずのゾウにカイドウ軍が襲来していた。

ゾウにたどりつく為に必要なビブルカードを敵は手に入れていたと勘づいたイヌアラシだったが、仲間を疑う事はできなかった。

さらにジャックは20年前から飛んできた「雷ぞう」の存在まで知っていた。

この謎はそれからしばらく触れられなかったのでうやむやのままで終わる疑いも持っていたのだが、こうやってキッチリ回収されたのでやはり天才かと言いたくなる。

さり気ない部分で感心したのはこのオロチの台詞。

内通者の存在が明確に示された初めてのシーン。

普通の家臣に向けた台詞とは思えなかったので当初から引っかかっていたのだが身内に向けたものだとすればその言い方は納得できる。本当によく練られている。

過去迫害を受けていたという部分もオロチの過去が明らかになる前はスルーされるところであったがこの時点から動機の部分がしっかり用意されていたわけである。

そして今まで自分が一切気付かなかった伏線がある。

それがこれだ。

普段は右利きだが絵を描くときだけ筆を左手で持っていたという。

おそらく今後上手い絵を描くシーンがあれば筆を右手で持っていることになるだろうが、これはかなり凄い。

考える方はもちろん気づく方も凄い。こういう細かな描写は自分は結構見逃しがちなので純粋に関心します。

他にも単行本の人物紹介欄で他の赤鞘達と違いカン十郎だけ毎回表情が違う、など意外なヒントも出されており随分前から伏線は色々散りばめられていたようだ。

ドレスローザでの展開も今思えばカン十郎だけ特別扱いされているなどの指摘もあるのでスパイが紛れ込んでいるというのは相当前から予定されていた事なのだろう。

錦えもん達のタイムスリップの複線にも唸ったがカン十郎のこれはそれを超えるほどのものだと思う。

伏線王など昔からよく言われていたが最近の方がより研ぎ澄まされた気がする。

こうやって見るとワノ国編を描くにあたっての気合は何年も前からあったのだと伝わって来る。