ONE PIECEを読み解く!

2016年のワンピースを振り返る

(812話~850話)
※単行本派注意

2016年も終わりという事で、今から今年のワンピースを振り返ってみようと思う。

まず「サンジの年」というだけあって様々な表情のサンジが披露された。

特に印象深いと思ったのは驚きの表情の多さである。とにかく今年はサンジが驚いていた印象が強い。

そして全体的に振り返って見ると、テンポが良かったのか悪かったのかよく分からない感じだと思った。

ただ結構最近の話のように思えるエピソードが調べてみると実は半年前だったりするのでテンポが良かったとは言えないかもしれない。進んだようであまり進んでいない。

しかしサンジの回想第二弾は思ったより早く登場してスムーズに進んだので要所要所の展開は上手くまとめられていたのではないだろうか。

ルフィvsサンジも1話で終わり、ビッグマム&プリンとヴィンスモーク家の食事会も時間を取らなかった。

しかし個人的に気になっていた(今でも気になっている)サンジの母親については少ししか明らかにならなかったので、この点は残念である。

2017年に本編で明らかになればいいのだが……うーむ。その可能性は低いと見ている。

プリンの事などがここから忙しくなりそうなのでどうもこれは宙ぶらりんのまま終わるかもしれない。(後々随分先のSBSで説明されるパターン

そしてプリンといえば、こっちも様々な表情を見せてくれた。来年はもっと凄いかも?


では今から印象に残ったエピソード3つを挙げながら今年のワンピースを振り返って見る。


第三位:"カポネ・ギャング・ベッジ"(812話)

サンジの苗字が判明し、更に三男であるとも判明。

この話は節目の回と言えるだろう。ここから現在へと続く流れが生まれた。(ついでに懐かしのサンジ=マフィア説も生まれた)

話の内容としてはあまり印象は強くないが最後が強烈だったので3位にランクイン。

ちなみに長編の始まりを予感させる時というのは想像力が刺激されるので考察するのが好きな人にとってはこの時はそういう意味で非常に面白い時期だったのではないだろうか。


第二位:"0と4"(826話)

サンジのの存在が明らかになり、更にマフィア説が完全に間違いだと判明した回である。

そしてなぜか戦隊モノを連想させるレイジュとヨンジの異名恰好が印象深かった。(もう見慣れたが)

さらにレンジュのルフィへの人工呼吸というかキスも強烈な印象を残している。

ちなみにこうやって振り返って久しぶりに思い出したのだが、

結局ナミが顔を赤くした真相は何だったのか?

一応考察はしているものの真の理由(意図)は未だに謎である。

別の考察(レイジュ=男好き説)の中でその結論を出したが、しかし作中での意味としてはやはり何の答えにもなっていない。

ルフィのリアルな命の危機だったのだからナミは赤面する必要は一切なかった。これはそんな時じゃない。

キャロットのように単にレイジュの能力に驚く方が自然に思えるのだが………うーむ。改めて見ると不思議な描写だ。

という具合に未だに謎が残っている回というのもあって第二位にランクイン。

そして第一位は………



第一位:"一筋の光"(850話)

怖すぎ

強烈な印象としてはこれに勝るエピソードは個人的には他に浮かばない。文句なしで1位。

期待していた三つ目プリンがいよいよ登場したという事でそういう意味でも1位に相応しい。

……しかし、この三つ目プリンには感想や考察の中では触れていない妙な違和感を実は感じていた。

その違和感が何なのかよく分からなかったので今まで触れなかったのだが、2016年のワンピースを振り返るついでに昔の分析も振り返って見るとその違和感の正体がついに分かった。

それはプリンがサンジの事を本当は好きじゃない可能性を考慮していなかったこと。(つまり最初の時点から演技をしているとは考えなかった事)

いや考慮してた事はしてたのだが、しかし、

"ただここまでプリンを魔性の存在として描くかは分からない。全部が演技というのはちょっと行き過ぎてる気もする。"

と言って却下していた。

今になって見ると最初から演技してた方が色々と辻褄が合うように思える。その可能性を簡単に却下しているのは変に思えるだろう。

しかし思い出してみると、その分析の頃というのはまだこの長編がシリアスになるのかどうかすら分からない時期だったのである。

四皇の元へ行くのにも関わらず大した計画も練らずのん気な感じで向かっていき、思いがけずゴレンジャーが登場し、島に着いたら楽しそうにお菓子を食ったりショッピングを始める、そして"ひきかえせ"という謎のメッセージがなぜかトイレにあるという妙なおかしさ、などどういうわけかシリアスさが異常に欠けていた

その理由は今になって考えてみると、ミスリードを誘う為の罠だったのだろう。おそらく。

本当に計算してその流れを作っていたのなら大したものである。2016年の最後に気付かせる仕組みになっている。

それによって前提を間違えていたのである。だからその流れのまま引きずってプリンの正体を今まで甘く見積もり続けていた

確かに三つ目プリンがサイコなのは予想はしていた。

が、しかし実際はこのタイプのサイコではない。イメージしていた三つ目プリンはこうじゃなかった。

最初の時点からプリンは何かがおかしいとも突っ込んでいたがこういう意味ではなかった

だからこの850話の三つ目プリンには妙な違和感を感じていたのである。

確かにまだプリンの正体がどうなるかは分からない。

もしかしたら甘く見積もり続けたプリンが実際に真の正体となる可能性はある。2017年に再度逆転するかもしれない。

しかし何だろうと上手くしてやられた感があるのは確かである。

ちなみに元々疑いを持っていた自分ですら強烈な回だったのでプリン=悪女説を一切信じていなかった人達にとってはこれは途轍もない衝撃だったのではないだろうか。


というわけで希望も何もない感じで2016年のワンピースは終わったが、このままダークさ一直線で進むとは思えないのでどこかの時点で逆転する時が来るだろう。

それを2017年は期待しようではないか。

ちなみに他にも印象深いエピソードはあるが、それについてはおまけとして(2)で取り上げます。

ページのトップへ戻る