エネルが自らの故郷「ビルカ」を破壊した理由とは
月の地下都市と同じ名が付いていたエネルの故郷の空島ビルカ。
神官達を引き連れスカイピアへ来る前にどういうわけかエネルは自らの故郷を破壊している。
その理由について以前は生まれ故郷といえどそこが嫌いだったから滅ぼしたのだろうと単純に解釈していた。
それと作中でも言っていたように空島の存在そのものに違和感を持ったので故郷と言えど滅ぼした。
しかし"月"の重要性について改めて考えているとそこにはもっと深い理由があったのではないかと思うようになった。
たとえば"神"と名乗ることと関係があるとしたらどうか。
さらに月の文明の存在もその事と直接関係してくるかもしれない。
エネルの扉絵シリーズの考察で空飛ぶ船マクシムはビルカに残っていた月の文明を元に設計された可能性を取り上げた。
世界政府ですら開発していない(と思われる)航空技術をなぜクレイジーなエネル達が発明できたのかよく考えると謎であったがその説が正しい場合この疑問が解消されるのでありえる話である。
月の都市と同じ名を持っているので説得力がある。
なのでもしかしたら空島のビルカは月の文明の名残がどこの空島よりもいくつも残っていたのかもしれない。
月を神の住む聖地とする伝説もあったほどなので都市の名の一致は間違いなく偶然ではないだろう。
しかしその事とエネルが故郷を破壊したことは一体どのような繋がりがあるのか。
おそらく自らを"神"だと思ったことによってその島の"信仰"(伝説)と相反することになったのが故郷を破壊した理由ではないかと睨んでいる。
つまり例えるならエネル達は新しい信仰を作ったのでその島本来のものが邪魔になったという感じではないだろうか。
なまじ月の文明の名残がより多く残っていたのでその影響力も他の空島より強かったと思われる。
それが逆に自らこそが神だと思うエネルにとって消し去りたいものになったのかもしれない。
それに加え自らの信仰には不自然な空島の存在を消すことが含まれていたので故郷だけじゃなくスカイピアを吹き飛ばすことも計画したというわけである。
ちなみに自らを神だと名乗るエネルだが、
その背中には翼がないので以前にむしり取ったという事じゃない限りエネルは月の人の子孫ではないだろう。
だとすればこれは"神"として月に還ったエネルにとって皮肉な話というわけである───